「ラズパイでミリ秒制御×次世代省配線」は可能か?リアルタイムLinuxとSPE(10BASE-T1S)がもたらすPoCの新選択肢
- 営業A
- 5 日前
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前回に引き続き産業用ラズパイについて別の切り口からお話します。
工場のIoT化や機器の開発において、「使い慣れたRaspberry Pi(ラズパイ)の環境をそのまま現場の制御や通信に使いたい」と考えたことはありませんか?
しかし、制御やFA(ファクトリーオートメーション)のプロであればあるほど、次のような課題で導入を躊躇されるケースが多いかと思います。
🧐 制御のプロが直面する2つの高いハードル
リアルタイム性の壁:Linuxベースのラズパイでは、ミリ秒単位の厳密な定周期制御が難しいのでは?
配線スペースの壁:多関節ロボットの腕の中やAGV(無人搬送車)の機内に、太いLANケーブルやハブを配置するスペースがない。
こうした「リアルタイム性」と「省配線・省スペース」の課題に対し、一つの新しいアプローチを提案するのが、PiLink社の産業用ラズベリーパイ「PL-R5」です。
今回は、この製品が持つ2つの強力な技術的特長に絞ってご紹介します!
① 制御の遅延を抑える「リアルタイムLinux(PREEMPT_RT)」へのアプローチ
⚠️ Linuxが抱える「ジッタ(遅延)」の課題
通常のLinux(ラズパイOSなど)は、複数のタスクを効率よく処理することを得意とします。しかし、厳密なタイミング(ミリ秒単位)で確実に処理を実行する「リアルタイム性」においては、一瞬の遅延(ジッタ)が発生するリスクがあります。これが、工場のライン制御などでLinuxが敬遠されてきた大きな理由です。
⚡ PREEMPT_RTパッチによるミリ秒未満へのアプローチ
この課題を解消するための手段が、Linuxカーネルのリアルタイムパッチ「PREEMPT_RT」です。
この仕組みを適用することで、OSのタスク処理優先度を厳密にコントロールできるようになります。最優先の制御タスクが要求された際、他の処理を一時中断させ、リアルタイム性を高める構成を検討できます。ドライバの調整で更に速度を高めることも可能です。
🎯 PoC(試作検証)としての現実的な選択肢
「ガチガチのハードウェアPLCを組む前に、まずはLinuxベースでミリ秒クラスの定周期制御を試してみたい」という開発初期のPoC環境として、非常に現実的な選択肢となります。
② 産業界で注目を集める次世代ネットワーク「シングルペアイーサネット(SPE) T1S」をサポート

⛓️ 従来のLANケーブルが抱える「配線スペース」の問題
AGV/AMRやロボット、各種センサーの接続において、従来のギガビットLANケーブルは「太くて硬い」「引き回しが大変」「あちこちにハブ(HUB)を置くスペースがない」という問題がありました。
💡 10BASE-T1S規格がもたらす3つのメリット
PL-R5は、この問題を解決する先駆的な通信技術「シングルペアイーサネット(SPE)」のT1S(10BASE-T1S)規格に対応しています。
圧倒的な省配線:わずか1ペア(2芯)の細いケーブルでイーサネット通信が可能。
ハブレスで繋がる(マルチドロップ接続):ハブを介さずに最大8台まで対応可能な構成が検討できます。空間の限られた機内配線を劇的にスッキリさせられます。
確実な通信速度:制御信号やセンサーデータのやり取りに十分な「最大10Mbps」の帯域を確保。
🛠️ 信頼性と設置性を両立する通信構成
多関節ロボットやAGV/AMRなどの省スペース化が求められる機器への組込み、通信環境が課題となる現場での装置連携において、これまでにない設置性の高さを実現します。
📊 【スペック詳細】PL-R5の有線ネットワーク構成
技術者の皆様に誤解なくご検討いただくため、本機の有線ネットワーク構成の詳細も公開されています。用途に合わせて最適なポートを選択可能です。
ポート種類 | 仕様・速度 | 主な特長・用途 |
ギガビットLANポート | 最大1Gbps(※3ポート搭載) | 大容量のカメラ映像や、上位システムとの高速通信用 |
SPEポート(10BASE-T1S) | 最大10Mbps(マルチドロップ対応) | ロボット機内や近距離センサー等の省スペース・省配線用 |
(※LAN3ポートはIP20仕様の場合。防塵防水のIP65仕様ではM8 1000Mbps×1ポートとなります。)
さらにオプションで、無線(Wi-Fi/Bluetooth)や遠隔監視用のLTE通信にも対応可能です。
🌟 まとめ:まずは1台、次世代の通信・制御基盤を試してみませんか?
🔧 開発スピードを加速させる新しい武器
「高いリアルタイム性が求められる環境」や「配線スペースが課題となる現場での装置連携・データ収集」において、産業用ラズパイはこれまでにない柔軟な開発環境を提供します。
もちろん、超高精度な超高速同期モーター制御など、従来の専用PLCでしか成し得ない領域はありますが、「Linuxの手軽さ・拡張性を活かしつつ、ミリ秒制御や最新のSPE通信を1台で検証できる」という点は、開発スピードを加速させる大きな武器になります。
「PREEMPT_RTでの制御実力を自社の環境でテストしたい」
「10BASE-T1Sを使った省配線ネットワークをいち早く構築してみたい」
そうした技術的なご関心や検証の計画がありましたら、ぜひ三井電子までお気軽にお問い合わせください。ハードウェアの仕様確認から導入イメージの共有まで、エンジニアの皆様に寄り添ってサポートいたします!🤝✨




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