VMEからCPCI、そしてVPXへ ― 『産業用バックプレーン規格の進化と三井電子の取り組み』
- 営業A
- 2025年12月2日
- 読了時間: 4分

1. はじめに:産業用バックプレーン規格の“世代交代”を理解する
産業機器・鉄道・防衛・通信インフラの分野では、
頑丈で長期供給される“バックプレーンコンピュータ*が長く使われてきました。
VME(1980年代〜)
CompactPCI(1990年代〜)
VPX(2000年代後半〜現在)
これらの規格は時代によって得意分野が異なるため、 既存設備の更新・新規開発では
必ず比較検討されます。
本記事では3規格の違いを整理しつつ、 三井電子としてどのような提案ができるのかをまとめます。
2. VMEbus(VME) ― 40年以上続く産業用コンピュータの原点
VMEは1981年に誕生し、産業機器・鉄道・防衛などで広く採用されてきた規格
特徴
並列バス
最大64bit
振動・熱・電気的ノイズに強い
長期供給前提で設計されている
課題
通信帯域は現代用途には不足
AI/高速I/Oと相性が悪い
CPUの性能更新が難しい
最新OS・高速SSDなどとの互換性が薄い
「VMEで構成された装置をどう更新するか?」が多くの企業の課題です。
3. CompactPCI(CPCI) ― PCIを産業用に最適化した“中核規格”
CPCIは、PC用PCIバスを産業用途向けに強化した規格で、鉄道・通信・FAで広く普及しました。
■特徴
PCIバスベースの中速〜高速通信
過酷環境に耐える構造
モジュール交換が容易
VMEよりも高性能
CPCIは安定性とコストのバランスが良いとして、 現在も大手通信・鉄道会社で利用されています。
4. VPX ― 高速シリアルバスでAI・画像処理時代に対応した最新規格
VPXはPCI Express・RapidIO・10GbEなどの高速シリアルバスを採用し、
最新のAI・高速処理用途に適合した次世代バックプレーン規格です。
■特徴
3U/6U対応
PCI Express Gen4/Gen5対応
高速画像処理・AI推論に適合
防衛・航空宇宙・センサ融合システムで急速拡大
5. 三井電子の取り組み
三井電子は、産業用/組み込みPC、電源、板金、カスタム基板を扱い、
既存設備の更新から最新規格の導入まで幅広く支援できる体制を持っています。
(1)VMEユーザー様へ
→CPUボード+キャリアボードの置き換え提案いたします
三井電子ではVMEそのものの延命作業は行っていません。
しかし、以下のような構成置き換えは得意です:
VMEベースの装置をCPUボード+キャリアボード(SOM)構成に刷新
NXP i.MX / Intel / ARM系SOMへ置き換え
必要に応じたカスタムキャリアボードのDMS設計
ケーブル・電源・筐体(MEP板金会社)まで含めた再構成
つまり、
VME → 現代的なCPUモジュール環境への置き換えを安全に実施する提案ができます。
(2)CPCIユーザー様へ
→ アドバンテック CompactPCI(CPCI)製品による最適提案が可能です。
三井電子は、 アドバンテック(Advantech)社のCPCIを正式ルートで展開しています。
そのため、
既存CPCIシステムのCPU世代更新
I/Oカードの追加や交換
長期供給前提の設計相談
保守・交換部品のサポート
など、CPCI設備に対しては 最も安定した改善ルートを提供できます。

(3)AIを検討しているがGPUの消費電力に悩むユーザー様へ
→ Hailo(ヘイロ)による低消費電力AIソリューション
CPCIやVME環境でAI推論を入れたいというニーズは増えています。
しかし GPU は…
消費電力が高い
発熱が大きい
小型シャーシに収まらない
連続稼働に向かない
という課題があります。
そこで三井電子では、
わずか2〜4Wで動作する
超低消費電力AIアクセラレータ「Hailo-8 / Hailo-10」
を中心とした提案を行っています。
Hailoが選ばれる理由
GPUの1/10〜1/20の消費電力
小型で実装しやすい
CPCI装置・VME置換装置にも組み込みやすい
異常検知/画像解析/分類などに最適
(4)VPXユーザー様もしくはVPX導入を考えているお客様へ
→ 現時点では“ご相談ベース”での対応となります。
VPXについては、 三井電子として現時点で明確なラインナップを公表しているわけではありません。
しかし、
高速シリアルバス
AI処理(Hailo / Jetson / FPGA)
伝導冷却・防衛用途の相談
など、仕様検討・要件定義の段階からのご相談には対応可能です。
三井電子の強みまとめ
VME → SOM+キャリアボード構成への安全な置き換え提案
アドバンテックCPCI製品の正式展開
GPUの代替としてHailoによる低消費電力AI化
板金(MEP)、電源(COSEL)、ケーブルまで含むワンストップ対応
VPX案件はご相談ベースで初期段階から支援
6. まとめ
VME・CPCI・VPXは、それぞれの時代を代表する産業用バックプレーン規格です。
現代では“AI・高速通信・省電力”のニーズが高まり、 規格更新や装置の再構築が求められる場面が増えています。
三井電子は、
既存設備の置換 → CPCIでの更新 → AI化 → VPX世代の相談 までを横断的に支援できる希少な存在です。
装置更新・AI導入・次世代化に悩んでおられる企業様は、
ぜひお気軽にご相談ください!!!!
